佐野元春 & THE COYOTE BAND 2024年初夏、 Zepp Tour で逢いましょう

佐野元春 & THE COYOTE BAND(以下コヨーテバンド)がほぼ一年ぶりの全国ツアーを開催した。追加公演を含めて全9公演、全国のZeppを廻るライブハウス・ツアー(仙台だけは別のヴェニュー)。今回のツアーのテーマは「Update」。新旧の曲を「今」に鳴らしてみたいと佐野元春は語っている。ツアーに先駆けて「Youngbloods(New Recording 2024)」が6月5日に配信リリース。5月末の「GREENROOM FESTIVAL '24」や6月の「日比谷音楽祭 2024」でさっそく演奏されている。 とても濃密な時間だった。ハートランド時代の楽曲がコヨーテバンドによって奏でられる。先に配信した「Youngbloods(New Recording 2024)」では「僕はこんなふうに思うんだけれど、君はどう思う?」と問いかけられてるように感じた。"夜明けへと滲んで / 君と行く"とアップデートされた言葉が胸を打つ。 そしてこのツアーで初披露された「欲望」。『今、何処』アルバムからさらに先へと進んだ感すら漂うコヨーテバンドの演奏で素晴しかった。途中でキーボードと声のみになり、ビートが入ってくるというグルーヴィな展開。「Individualists」は一転してギターが演奏を牽引してゆくようなクールな演奏だった。 そのながれの中でコヨーテバンドのレパートリーの「ポーラスタア」へと引き継がれる。「世界は慈悲を待っている」では深沼のハイトーンのコーラスが新たに加わり、コヨーテバンドが進化していく様を目の当たりにした。セットリストに『今、何処』ツアーのながれが入って、オーディエンスの盛り上がりは何度も沸点に達した。コヨーテバンドがピークを迎えていることは誰の目にも明らかだった。 アンコールでは1981年6月21日にリリースされたシングルの「SOMEDAY」について触れた。この大阪公演の前日が正に6月21日だったので、急遽、演奏の予定がなかった「SOMEDAY」を佐野元春は歌った。ドラムのフィルインに盛大なリバーヴがかけられて、間奏のサキソフォンのソロは佐野元春のハーモニカに代えていた。いつもだったらオリジナルに比べてもの足りなさを感じるのだが、このツアーのセットリストで聴くと不思議に気にならなかった。コヨーテバンドは佐野元春にとってかけがえのない存在になった。それを実感するようなステージだった。 ■佐野元春 & THE COYOTE BAND 2024年初夏、 Zepp Tour で逢いましょう 2024年06月22日(土) Zepp Osaka Bayside 1階Z列04番 佐野元春(Vocals, Guitar) 深沼元昭(Guitar) 高桑圭(Bass) 小松シゲル(Drums) 渡辺シュンスケ(Keyboards) 藤田顕(Guitar) Set List 01 君をさがしている 02 Youngbloods(New Recording 2024) 03 ジュジュ 04 誰かが君のドアを叩いている 05 欲望 06 Individualists 07 ポーラスタア 08 世界は慈悲を求めている 09 愛が分母 10 銀の月 11 クロエ 12 純恋(すみれ) 13 エンタテイメント! 14 La Vita e Bella 15 東京スカイライン 16 エデンの海 17 水のように 18 大人のくせに 19 明日の誓い 20 禅ビート Encore 21 Down Town Boy 22 SOMEDAY 23 約束の橋 Blu-Ray『佐野元春 & THE COYOTE BAND ライブ「今、何処」東京国際フォーラムホールA』 CD『佐野元春 & THE COYOTE BAND ライブ「今、何処」東京国際フォーラムホールA』