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3 different bands, 3 different performances 「3つの違うバンドと、3つの異なる表現」 佐野元春30周年アニバーサリー・ツアー Part.1 佐野元春&井上鑑ファウンデーションズ in motion 2010 僕が旅に出る理由 |
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佐野元春のデビュー30周年を記念したライヴ・ツアーが2010年夏から2011年春まで行われる。「3つの違うバンドと、3つの異なる表現」がそのアニバーサリー・ツアーの主題で、これまで佐野元春のライヴを支えてきた3つのバンド、井上鑑ファウンデーションズ、コヨーテバンド、ホーボーキングバンドがそれぞれ夏のツアー、秋冬のツアー、初春のツアーと順番に登場する。今回行われた夏のツアーは福岡、名古屋、大阪、仙台、東京の5大都市のライヴハウスを井上鑑ファウンデーションズと旅するスポークンワーズ・セッション『in motion 2010 僕が旅に出る理由』。「スポークンワーズ」とは「ポエトリー・リーディング」(詩の朗読)のことで、欧米ではよく使われる言葉らしい。このスポークンワーズのライヴはこれまで鎌倉や東京のスポットといった関東近辺でだけしかやっておらず、全国展開は今回が初となる。 佐野元春の詩の朗読と井上鑑ファウンデーションズの即興演奏がスポークンワーズの核となるわけだが、例えて言うならボブ・ディランやトム・ウェイツの音楽に通じるスタイルといっていいのだろうと思う。そういった言語傾向の強い文学的な音楽と同様のものをスポークンワーズから感じる。 オープニングに披露された「ポップチルドレン」は1992年のアルバム『sweet 16』に収録された楽曲。当初、佐野元春のポップ・ロック作品として発表されただけに親しみやすさがあった。この曲を振り出しにして、『エレクトリック・ガーデン』収録の「再び路上で」と続き、ステージはやがて散文詩「エーテルのための序章」を朗読するスポークンワーズの本丸へと深く進行していった。 「ベルネーズソース」は山木秀夫のドラムと高水健司のベースだけでリーディング。「こんな夜には」と「アルケディアの丘で」が並びで演奏されると、それぞれの作品に登場するユニコーン、一角獣が象徴的なアイコンとして浮かび上がりその存在を際立たせていた。そういう意味では通常の佐野元春のライヴと同じように曲順は相当練られていた印象がある。 詩のほとんどは以前に書かれたものだが、一部インターネット時代に対応した言葉に置き換えられていた。今回のライヴの副題にもなった「僕が旅に出る理由」はインターネットが普及しだした頃に発表された詩。「僕の家族は 良くなかった だから君とは 良い家庭をつくろう」と、その対になる一節「僕がこの宇宙に 良い家族を持てたなら それが僕の旅の 終わりなのだ」が胸を打つ。そしてゆっくりと繰り返された「我 今 絶望する ゆえに 我 即 希求する」というシンプルで直接的な言葉。あるいは命題といってもいいだろう。佐野元春がこれからまた新たな旅をはじめる決意が窺えた。 井上鑑のピアノ・ソロが挿入されて、 1st Showでは「何もするな」、2nd Showでは曲を入れ替えて「日曜日は無情の日」が披露された。続く「植民地の夜は更けて」は散文詩「エーテルのための序章」から。ダークな言語表現と緊張感溢れる井上鑑ファウンデーションズの即興演奏に痺れた。 「国籍不明の Neo-Beatniks に捧ぐ」と「何が俺達を狂わせるのか?」がスポークンワーズ・セッションの最後のパート。ここでのパフォーマンスはポップ・ロックのライヴとあまり変わりがない。グルーヴ感溢れる演奏にオーディエンスは身体で反応する。このスポークンワーズ・セッションが定着したら、あるいは立ち上がって盛り上がることになるのかもしれない。脳内の言語を司る中枢神経が刺激されたのか覚醒したかのようにオーディエンスはアンコールを求めた。アンコールはないだろうと思ってたが意外なことにメンバー全員がステージに出てきて「ポップチルドレン」を再演した。野性的で冴えてる連中。一時間半とポップ・ロックのライヴに比べたら短い時間だったが充実度は高かった。 ■スポークンワーズ・セッション『in motion 2010 僕が旅に出る理由』 2010年8月10日(火) ビルボードライブ大阪 1st Show(36テーブル D番) 佐野元春(Reading) 井上鑑(Keyboards) 高水健司(Bass) 山木秀夫(Drums) 山本拓夫(Saxophone/Flute) Setlist 01 ポップチルドレン-最新マシンを手にした陽気な子供たち 02 再び路上で 03 ベルネーズソース 04 こんな夜には 05 アルケディアの丘で 06 僕が旅に出る理由 07 INTERLUDE 08 何もするな 09 植民地の夜は更けて 10 国籍不明の Neo-Beatniks に捧ぐ 11 何が俺達を狂わせるのか? Encore 12 ポップチルドレン-最新マシンを手にした陽気な子供たち ■2010年8月10日(火) ビルボードライブ大阪 2nd Show(30テーブル A番) 佐野元春(Reading/Guitar) 井上鑑(Keyboards) 高水健司(Bass) 山木秀夫(Drums) 山本拓夫(Saxophone/Flute) Setlist 01 ポップチルドレン-最新マシンを手にした陽気な子供たち 02 再び路上で 03 ベルネーズソース 04 こんな夜には 05 アルケディアの丘で 06 僕が旅に出る理由 07 INTERLUDE 08 日曜日は無情の日 09 植民地の夜は更けて 10 国籍不明の Neo-Beatniks に捧ぐ 11 何が俺達を狂わせるのか? Encore 12 ポップチルドレン-最新マシンを手にした陽気な子供たち ●『in motion 2003 - 増幅』を購入する。MWSのストアGO4レコーズからどうぞ。 ●iTunes Storeで楽曲購入もできます。 |
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