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佐橋佳幸(祝)芸能生活30周年記念公演〜東京城南音楽祭 T.J.O. 〜三茶編 |
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| 佐橋佳幸のデビュー30周年を記念した公演「東京城南音楽祭」が9月2日に目黒編、7日に三茶編と開催された。佐橋佳幸は1983年9月21日にUGUISSの一員としてアルバム『UGUISS』、シングル「Sweet
Revenge」でデビュー。バンド解散後はスタジオやライヴのセッション・ギタリスト、ソロ・アーティスト、ギター・デュオ「山弦」、ソングライター、音楽プロデューサーと八面六臂の活躍をしている。 「東京城南音楽祭」三茶編は三軒茶屋の昭和女子大学の人見記念講堂で行われ、佐野元春 and The Hobo King Band、最近は舞台「もっと泣いてよ、フラッパー」の音楽を担当したDarjeelingの盟友、Dr.kyOnが音楽監修をしていて、佐橋佳幸の30年間の音楽活動をほぼ年代順に辿るセットリストで行われた。 ステージに降ろされた幕に佐橋佳幸のシルエットが投影されて、エレクトリック・ギターをかきむしる轟音が響き渡る演出で幕が開いた。元コーザ・ノストラの鈴木桃子をヴォーカルに迎えてUGUISSの「Born In America」という曲が演奏された。聞くところによるとUGUISSの未発表の曲だということだ。 最初のパートは都立松原高校の一級上のEPOのオンステージ。高校の二年先輩の清水信之がサポートしていた。松原高校は下高井戸というところにあり、三軒茶屋に程近い場所で、地元凱旋という意味もあって昭和女子大学の人見記念講堂が今回の「東京城南音楽祭」三茶編の開催地になったようだ。 EPOは佐橋佳幸のリクエストで「私について」を歌って、佐橋佳幸が高校在学中にEPOのデビュー作でギターを弾いたという「語愛」を披露した。佐橋佳幸の音楽の源泉を辿る流れで松原高校後輩の渡辺美里を迎え入れて、佐橋佳幸が関わった「NEWS」と「センチメンタルカンガルー」を歌った。 ゲストの編成の関係で時代はここから'90年代半ばまで飛ぶことになる。萩原健太から「佐橋をコロちゃんと呼ぶ人がいます」という呼び込みで佐野元春が早々と登場した。黒のハットに眼鏡をかけてグレーのジャケット、黒のパンツという出で立ちだった。佐野元春は1996年のホーボーキングバンド結成と翌年にウッドストックでレコーディングした『The Barn』のことを話して、アルバムの中から「風の手のひらの上」と「Rock and Roll Heart」を披露した。ちょうど今回の「東京城南音楽祭」のスペシャル・バンドに現在のホーボーキングバンドのメンバーが揃ってることから、佐野元春は久しぶりにホーボーキングバンドと演奏する喜びを口にした。歌のほうではうまくいかなかったところもあったように思えたが、会場を盛り上げようとしたライヴ・パフォーマンスは佐野元春ならではの態度があふれたものだった。 佐橋佳幸の音楽キャリアの中でもウッドストックでジョン・サイモンのプロデュースのもとレコーディングした『The Barn』は貴重な体験だったのではないだろうか。佐野元春のキャリアでいうと一般受けせずに終わったアルバムではあったが確かな足跡を刻んだ名作であったことが証明された瞬間だった。 さて、佐野元春に続いてステージに呼び込まれたのは小倉博和だった。佐橋佳幸とはギター・デュオ「山弦」を組んでいる。ふたりで「春〜Spring」、そして大貫妙子を交えて「あなたを思うと」がアコースティック・セットでのお披露目となった。 佐橋佳幸は実にいろいろなアーティストとの交流の中で、そのときどきによって相方を替えている。根本要とは洋楽のカヴァーを持ち寄る「本日のおすすめ」というライヴを行っているそうだ。この夜に披露したのはホイト・アクトンの作品でスリー・ドッグ・ナイトのヒット曲として知られる「Joy To The World」。そしてスタレビと共に「木蓮の涙」。根本要は軽妙なトークで客席を沸かせ、切ない歌をしっとりと歌った。 時代は前後するが続いて小田和正が登場。佐橋佳幸のリクエストで「たしかなこと」を歌い、再びスタレビを呼び込んで「ラブ・ストーリーは突然に」を披露した。イントロの印象的なギターの音「チャカチャチャン」の話題で盛り上がったが、演奏の際に佐橋佳幸がヴォリュウム・ペダルの操作を誤るというご愛嬌があった。 佐橋佳幸と松たか子は彼女のアルバムのプロデュースを担当したことで知り合うことになった。「ほんとの気持ち」は小田和正が書いた作品で、先ほどのステージの流れで小田和正と根本要がコーラスに参加するという豪華な展開になった。 作詞や作曲も手がける松たか子だが、佐橋佳幸からは歌詞の重要性について指導を受けているという。名曲というのは歌詞が素晴らしいから支持されているというふうに佐橋佳幸は話した。「home〜sweet home」は松たか子/佐橋佳幸のソングライター・チームによる作品。司会の萩原健太は成功した夫婦のソングライター・チームの実例を挙げて夫婦生活も円満にというアドヴァイスをしていた。 佐橋佳幸の敬愛するギタリストというとオーリアンズのジョン・ホールとシンガー・ソングライターで知られるジェームス・テイラー(のアコースティック・ギター)だそうだが、もう一人彼を驚かせたギタリストがいる。それが城南地区の先輩のCharだ。Charは即興演奏で佐橋佳幸とセッションしたり、長丁場で足腰に疲れが出はじめた観客を立たせたりして、ステージを大いに盛り上げた。 そしてもうひとり今回の三茶編では佐橋佳幸が敬愛するギタリストを呼んでいる。仲井戸"CHABO"麗市だ。チャボはDr.kyOnの提案でクリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァルの「Proud Mary」をCharとの共演で披露した。「いい事ばかりはありゃしない」では佐橋佳幸にもヴォーカルを取らせるサービスがあった。 佐橋佳幸の最近の仕事は上の世代と下の世代をつなぐ役割が多いという。再結成したサディスティック・ミカ・バンドやくるりなどの仕事を通じてそう感じることが多くなったそうだ。小坂忠とソウル・コネクションのステージはそうした世代間の橋渡しを体現するものだった。小坂忠はこの日が誕生日だった佐橋佳幸にバースデー・ソングをプレゼントした。 本編の最後は渡辺美里をヴォーカルに添えた新生のUGUISSでデビュー曲の「Sweet Revange」を披露した。30年前に書かれた曲だが色褪せることなく、現代でも十分に通用する力強さを感じた。EPOも特別にコーラスで参加していて盛り上げた。30年の足跡を駆け足で辿ったが、見事な円環を描いて幕を閉じた。いろいろなアーティストからの佐橋佳幸へのリスペクトを感じた素晴らしいライヴだった。 ■佐橋佳幸(祝)芸能生活30周年記念公演〜東京城南音楽祭 T.J.O. 〜三茶編 2014年9月7日(日) 昭和女子大学 人見記念講堂 1階オ列43番 Band Member are 佐橋佳幸(EG,AG&Vo) Dr.kyOn(音楽監修・Key,Acc,Perc,Cho) 井上富雄(EB&Cho) 古田たかし(Dr,Perc&Cho) 河村"カースケ"智康(Dr&Perc) 柴田俊文(Key) 山本拓夫(Sax,Fl,Hca,Perc&Cho) 本田雅人(Sax,Fl) 村田陽一(Tb) 西村浩二(Tp) Guest Artist are UGUISS : 佐橋佳幸(EG&Cho) 柴田俊文(Key&Cho) 伊東暁(Key&Cho) 松本淳(DS&Cho) 井上富雄(EB&Cho) EPO(Vo) 清水信之(Key,Gl&Cho) 渡辺美里(Vo) 佐野元春(Vo&EG) 小倉博和(AG/山弦) 大貫妙子(Vo) スターダスト☆レビュー : 根本要(Vo&AG) 柿沼清史(Cho) 寺田正美(Cho) 林“VOH”紀勝(Cho) 添田啓二(Cho) 岡崎昌幸(Cho) 小田和正(Vo,AG&EG) 松たか子(Vo) Char(EG&Vo) 仲井戸”CHABO”麗市(Vo&EG) 小坂忠 ＆ Soul Connection : 小坂忠(Vo) 佐橋佳幸(EG&Cho) 小原礼(EB&Cho) Dr.kyOn(Key&Cho) 高橋幸宏(Ds) 山本拓夫(Sax) 西村浩二(Tp) 鈴木桃子(Cho) 藤井真由美(Cho) MC : 萩原健太 能地裕子 Set List 01 Born In America 02 私について 03 語愛 04 NEWS 05 センチメンタルカンガルー 06 風の手のひらの上 07 Rock and Roll Heart 08 春〜Spring 09 あなたを思うと 10 Joy To The World（Hoyt Axton/Three Dog Night） 11 木蘭の涙 12 たしかなこと 13 ラブ・ストーリーは突然に 14 ほんとの気持ち 15 home〜sweet home 16 Shinnin' You, Shinnin' Day 17 Summer In The City（Lovin' Spoonful） 18 Proud Mary（Creedence Crearwatter Revival） 19 いい事ばかりはありゃしない 20 everyday angel 21 ほうろう 22 Sweet Revenge Encore 23 21st Century Flapper ●iTunes StoreでUGUISS fest. MISATOの『新シリーズ Vol.1』を購入する。 |
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