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佐野元春 & THE COYOTE BAND 2009年夏 * 全国ライブハウス・ツアー「COYOTE」 |
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佐野元春がアルバム『COYOTE』のレコーディング・セッション・メンバーと、全国のライヴハウスを回るツアー「COYOTE」。早くも終盤を迎えて、今回のZEPP TOKYOを含め残すところ二公演となった。このあとは神戸チキンジョージの追加公演だけなので、実質最終公演ということになり、セットリストは大阪公演と全く同じだったが、大変な盛り上がりとなった。 『COYOTE』の曲を全曲披露する本ツアーでは、佐野元春のギター・プレイが随所で堪能できる。佐野元春のギターをフィーチャーした曲はセットリストの後半に多く、「ラジオ・デイズ」、「夜空の果てまで」、「壊れた振り子」で披露したオーガニックなサウンドは本当に素晴らしいと思った。今回はギブソンのアコースティック・ギターをメインに使用していたが、「世界は誰の為に」では唯一、エレクトリック・ギターのジャズマスターが登場したのもうれしかった。 ハイライトとなる「コヨーテ、海へ」はウーリッツアーの弾き語りでバンドを牽引してゆく。この曲のレコーディングでドラムスの小松シゲルは"この世界を信じたい"と歌う佐野元春に鋭く反応した。CDではその部分に爆発音がダビングされているわけだが、ライヴではどんなふうに展開するのかと密かに注目していた。小松シゲルはビシッとシンバルを叩いただけだったが、ケレン味のない演奏でそれだけに胸を打つようなパフォーマンスだった。 佐野元春にとって最大のライバルはもしかしたら'80年代の自分自身なのかもしれない。「モトハル・クラシックス」と呼ばれる代表曲のほとんどは'80年代の曲で、おそらく今、ファンが選ぶ「佐野元春 All Time Favorites」という企画を実施したとしても、80年代の曲が上位を占めることになるだろう。そうしたことは本人がいちばんわかっているので、だから最近のライヴ・ツアーは'80年代の曲のヒット・パレードになっているのだと思う。 アンコールでその'80年代の佐野元春を象徴するキャンディ・アップルのストラトキャスターを持って現れた佐野元春は当然のように「約束の橋」と「アンジェリーナ」を演奏した。万雷の拍手が起こり、演奏が終わってもアンコールを求める声援が続いたので、急遽バンドのメンバーを呼び寄せ円陣を組み、もう1曲演奏することになった。聴衆はなんでもいいから続けてほしかっただけなのかもしれない。けれどもバンドが演奏したのはオープニングを飾った「星の下 路の上」の再演だった。バンドはたった二週間しかリハーサルをしてないので演奏できるレパートリーがないということだった。このライヴの意義を考えれば'80年代の曲をやってしまうと、せっかく作り上げたバンドのアティチュードが壊れてしまったことだろう。「星の下 路の上」のリプライズはこのバンドにとってふさわしい選曲だった。このバンドの歴史はツアー終了とともに一旦幕を閉じるのかもしれないが、決して終わったわけではない、そう感じた夜だった。 ■佐野元春 & THE COYOTE BAND 2009年夏 * 全国ライブハウス・ツアー「COYOTE」 2009年7月26日(日) ZEPP TOKYO 1階スタンディング入場整理番号F405番 佐野元春 & THE COYOTE BAND 佐野元春(Vocal, Guitar, Keyboards, Harmonica） 深沼元昭(Guitars) 小松シゲル(Drums) 高桑圭(Bass) 渡辺シュンスケ(Keyboards) 大井'スパム'洋輔(Percussion) Set List 01 星の下 路の上 02 荒地の何処かで 03 君が気高い孤独なら 04 ヒナギク月に照らされて 05 裸の瞳 06 折れた翼 07 呼吸 08 ラジオ・デイズ 09 Us 10 夜空の果てまで 11 壊れた振り子 12 世界は誰の為に 13 コヨーテ、海へ 14 黄金色の天使 Encore 15 ぼくは大人になった 16 Young Bloods 17 ダウンタウンボーイ 18 約束の橋 19 アンジェリーナ 20 星の下 路の上 『COYOTE』(初回盤)を購入する。 『COYOTE』をiTunes Storeで購入する。 3トラックEP『星の下 路の上』を購入する。 |
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