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festival hall オープニングシリーズ 佐野元春 and The Coyote Band THE LIVE AT FESTIVAL HALL 2013 |
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| 2008年に建て替えのため閉館したフェスティバルホールが、この春に4年4ヶ月の歳月を経て新装オープンした。「festival hall オープニングシリーズ」と銘打って、続々とこけら落とし公演が開催される中で、5月26日に佐野元春とコヨーテバンドのライヴが新生フェスティバルホールで行われた。冬の全国ホール・ツアーの実質的なファイナル公演で、アルバム『ZOOEY』のリリース後にはじめて行われるライヴとあって、全国から多くのファンが集まった。 ライヴはWINTER TOURの構成に準じて行われ、新しいアルバム『ZOOEY』からは「世界は慈悲を待っている」を筆頭に6曲が演奏された。楽しみにしていた「スーパー・ナチュラル・ウーマン」は残念ながらセットリストにはなく歌われなかった。 当初は長年佐野元春の音楽を聴いてきたファンに向けての歌として聴いていた「虹をつかむ人」だが、この夜は現代のフォーク・ロックに聞こえた。これまで自分の中ではコヨーテバンドの演奏がどうあるべきなのか、あるいは彼らに対しての明確な評価が定まってなく、特別な思いもなかった。だから近年はライヴにもそう多くは足を運ばなかった。しかし、この夜に演奏された「La Vita e Bella」を聴いて、ライヴバンドならではのフレキシビリティを感じ、コヨーテバンドへの目覚めを感じた。 「ビートニクス」はコヨーテバンドの音楽的な傾向が現れた楽曲だと思う。ここで聴くことのできる彼らのエッジの効いた表現があって生まれた楽曲なのだと思った。「君と一緒でなけりゃ」のニュー・ソウル的なアプローチも新鮮だった。「ポーラスタア」は佐野元春の言語表現が際立っているが、それをしっかりと支えてる演奏があって楽しめた。思わずフックの部分を一緒に口ずさんでしまった。 そういう意味ではコヨーテバンドが演奏する元春クラシックスも、彼らの音楽知識と批評性の中で生まれ変わったといえるだろう。「Heart Beat」はコヨーテバンドの演奏によってストーリーテリングが鮮やかに形作られていき、「Complication Shakedown」の演奏はスリリングに展開した。「99 Blues」が現代の社会とシンクロしてコミットする様は、佐野元春の楽曲の特性を踏まえた彼らの演奏によるところが大きいのではないだろうか。 一方で新生フェスティバルホールの素晴らしさを目の当たりにしたのは「ナポレオンフィッシュと泳ぐ日」や「約束の橋」でのことであった。オーディエンスの盛り上がりと合唱が会場を包み込み何倍もの熱狂を感じた。佐野元春のほうからもまたフェスティバルホールに対する思いがあり、1983年2月の初演以来、30年の歳月を共にしたファンや、今回はじめて佐野元春を観に来たという人たちに、「心をこめて歌うよ」と捧げたのが「Rock 'n' Roll Night」、そして「Someday」だった。コヨーテバンドの演奏も素晴らしかった。新しくなったフェスティバルホールの舞台装置の威力も絶大で、「Rock 'n' Roll Night」の佐野元春の魂心の叫びには目潰しの逆光照明で盛り上げて、アウトロのピアノ・ソロはスポットライトでと劇的に歌を彩っていた。 佐野元春は音楽について、世代や年齢は関係なく、性別や国籍を乗り越えて、イデオロギーさえ凌駕して存在する不思議に言及した。「若さというのは心の在りようなんだ」と言って大きな喝采を浴びた。「Young Bloods」はその心の在りようを体現する曲で、佐野元春とコヨーテバンドは音楽が時空を超えて、現代に寄り添う表現の可能性に挑戦した。オーディエンスもまた情熱の限りに受け止めて胸を焦がした。その刹那が五月の夜に美しく輝いてた。 ■佐野元春 and The Coyote Band THE LIVE AT FESTIVAL HALL 2013 2013年5月26日(日) フェスティバルホール 1階 BOX E列1番 佐野元春 and The Coyote Band 佐野元春(Vocals, Guitar) 小松シゲル(Drums) 深沼元昭(Guitar) 藤田顕(Guitar) 高桑圭(Bass) 渡辺シュンスケ(Keyboards) 大井'SPAM'洋輔(Percussions, Sound Editor) Setlist 01 Coyote Theme 2013(インストゥルメンタル) 02 アンジェリーナ 03 スターダスト・キッズ 04 Down Town Boy 05 世界は慈悲を待っている 06 虹をつかむ人 07 La Vita e Bella 08 ビートニクス 09 君と一緒でなけりゃ 10 ポーラスタア 11 彼女 12 Wild Hearts 13 Heart Beat 14 Complication Shakedown 15 99 Blues 16 ナポレオンフィッシュと泳ぐ日 17 約束の橋 18 Rock 'n' Roll Night 19 Someday 20 Young Bloods Encore 21 Strange Days 22 ジュジュ 23 悲しきRadio 『ZOOEY』を購入する。 『ZOOEY(デラックス盤)』を購入する。 『ZOOEY(初回盤)』を購入する。 |
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