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ケンタッキーフライドチキン Presents souvenir 2014 mariya takeuchi live supprted by JAPAN FM NETWORK |
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| 2000年と2010年にJFN開局記念として行われた「souvenir LIVE」が、この度、竹内まりやのデビュー35周年に併せて開催されることになった。4年前のライヴでは次はあまりあいだを空けることなく、できれば還暦までにまたファンの前で歌いたいというようなことを話していたが、33年ぶりの全国ツアーが6都市9公演のアリーナ・ツアーとして行われることになった。 竹内まりやは1978年11月25日にシングル「戻っておいで・私の時間」でデビューした。今回のライヴではオープニングから4曲がひとつのながれとして演奏されたが、これまでの「souvenir LIVE」ではおなじみの定番曲ばかり。竹内まりやは最新アルバムのタイトルにしたトラッドを意識していたようで、ブルーのトラディショナルなスーツ姿で歌った。デビュー曲「戻っておいで・私の時間」、「ドリーム・オブ・ユー」といった加藤和彦の作品は山下達郎のアレンジで今回が初披露。時代に流されることなく聴き続けられる音楽という『TRAD』の主題そのままに、ライヴは竹内まりやの全作品、アルバムから少なくとも1曲は選曲されるというセットリストだった。 竹内まりやをサポートするのは現在の山下達郎バンドで、「五線紙」は佐橋佳幸のギター、宮里陽太のサックス、山下達郎のパーカッションという編成。山下達郎はギター、パーカッション、キーボード、バッキング・ヴォーカルと大車輪の活躍。佐橋佳幸もスチール・ギターやフラット・マンドリンを披露したし、竹内まりやのMCのネタとして、子どもが生まれることや、松たか子のことでいじられていた。そして今回、とても輝いてたのが宮里陽太。彼は本当に素晴らしいサキソフォンのプレイを披露した。実際、サキソフォンのソロがフィーチャーされた曲では目が釘付けになった。 オーディエンスで目立ってたのが女性たち。夫を伴って来たという女性が僕の隣だった。前の座席には娘さんと来ている女性。通路の向こうには男の子を連れた女性。彼女たちはサイレント・マジョリティーといった存在でステージを観ていた。「たそがれダイアリー」はそんな彼女たちの現実に寄り添う曲なのかもしれない。中森明菜に提供した「OH NO, OH YES」、薬師丸ひろ子に提供した「元気を出して」は心にそっと寄り添うような歌と演奏だった。 ライヴの構成は山下達郎と似ているような気がした。MCが前回の「souvenir LIVE」よりも増えてステージの緩急をつけている感じ。中盤は「告白」や「シングル・アゲイン」といった初お披露目の楽曲の演奏があった。僕の隣の女性は「駅」がはじまったとき小さく拍手していた。 僕が生で聴くのを楽しみにしていた楽曲は後半になってから。「プラスティック・ラヴ」はライヴの定番になってるが、いつもは最後のコーラスの部分だけ山下達郎のヴォーカルが聴けるところを、今回は竹内まりやからバトンタッチして山下達郎が一節歌う展開になっていた。『TRAD』からは「静かな伝説(レジェンド)」を楽しみにしていた。竹内まりやが歌うフォーク・ソングだ。歌の前に竹内まりやは「一人ひとりの心にある身近な人たちのレジェンドを思い浮かべて聴いてほしい」というふうなことを語った。間奏の竹内まりやによるハーモニカの演奏が胸に迫った。 実は今回のライヴで竹内まりやは昨年十二月に亡くなった青山純と大滝詠一のことを思いながら「静かな伝説(レジェンド)」を歌ったのだと話した。デビューしてからのこと、また人生を振り返っても、人に恵まれてやってこれたこと、日々のなんでもない生活を大切に生きることが人生の印象を変えること、なんでもない一日を深く味わいながら生きていたいと話した。「人生の扉」は竹内まりやが五十歳を迎える前に、ふと思ったそんな雑感から生まれた一曲。じぶんもまた新しい扉を開くときがくるけれど、どうしたらいいのかよくわからない。今回の「人生の扉」は思いもよらず僕を打った。 アンコールではコーラス隊と「すてきなホリデー」、バンドの演奏による「不思議なピーチパイ」と「September」のメドレー、「J-BOY」のエンディングにはきらきらとした銀のテープが会場に放たれた。大団円を迎えてバンドがステージから去った後にダブル・アンコールがあった。竹内まりやはアカペラで「リンダ」を披露した。山下達郎を交えたコーラス隊による合唱で、ドゥーワップ仕立てになっており、本当に素晴らしかった。コーラス隊が去り、山下達郎と「Let It Be Me」をデュエット。山下達郎が「お先に」とステージから去ると、竹内まりやはひとりきりになった。 たったひとりのステージ。オーディエンスに「ありがとう」という感謝の言葉があって、最後に竹内まりやはピアノの弾き語りで「いのちの歌」を歌った。水を打ったような静寂の中で竹内まりやは「生まれてきたこと 育ててもらえたこと 出会ったこと 笑ったこと そのすべてにありがとう この命にありがとう」と歌った。僕はただ立ちつくして見つめるしかできなかった。4年前には味わえなかった感慨があって、しんみりと聴き入っていた。心の中によぎる思いが、もう少しであふれてきそうだった。 ■souvenir 2014 mariya takeuchi live fm osaka 開局45周年記念 2014年12月14日（日） 大阪城ホール アリーナ西ブロック16列49番 竹内まりや(Vocal,Guitar,Harmonica,Acoustic Piano) 山下達郎(Electric Guitar,Acoustic Guitar,Keyboard,Percussion,Background Vocal) 小笠原拓海(Drums) 伊藤広規(Bass) 難波弘之(Acoustic Piano & Rhodes) 柴田俊文(Keyboards) 佐橋佳幸(Electric Guitar,Acoustic Guitar,Pedal Steel Guitar,Flat Mandolin) 宮里陽太(Saxophone) 国分友里恵(Background Vocal) 佐々木久美(Background Vocal) 三谷泰弘(Background Vocal) Set List 01 アンフィシアターの夜 02 家に帰ろう(マイ・スイート・ホーム) 03 マージービートで唄わせて 04 Forever Friends 05 戻っておいで私の時間 06 ドリーム・オブ・ユー 07 五線紙 08 たそがれダイアリー 09 OH NO, OH YES 10 元気を出して 11 ウイスキーが、お好きでしょ 12 告白 13 シングル・アゲイン 14 象牙海岸 15 駅 16 幸せのものさし 17 プラスティック・ラヴ 18 Sweetest Music 19 静かな伝説(レジェンド) 20 人生の扉 Encore 21 すてきなホリデー 22 不思議なピーチパイ～September 23 J-BOY 24 リンダ 25 Let It Be Me 26 いのちの歌 |
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