・A LONG VACATION SINGLE VOX
・Sing ALONG VACATION
・NIAGARA TRIANGLE Vol.2
・NIAGARA SONG BOOK
・NIAGARA CM Special Vol.2
・EACH TIME
・NIAGARA SONG BOOK 2
・B-EACH TIME L-ONG
・SNOW TIME
・Complete EACH TIME SINGLE VOX
・NIAGARA FALL STARS '81 Remix Special
・Niagara Rarities Special
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NIAGARA CD BOOK II
SRCL 8700-11
2015年3月21日
1981年以降のナイアガラ・レコードの作品を網羅した完全生産限定盤のCD12枚組ボックス・セット。
山下達郎関連の作品が収められているのは『NIAGARA FALL STARS '81 Remix Special』。シュガーベイブのアルバム『SONGS』から「DOWN
TOWN」、「いつも通り」(大貫妙子)、「すてきなメロディー」が吉田保によるリミックス・ヴァージョンで収録されている。また、22曲目の「禁煙音頭」で「Smoke
Gets In Your Eyes」を一節歌ってるのも山下達郎だ。
佐野元春は1982年3月21日にリリースされた『NIAGARA TRIANGLE VOL.2』が一枚そのまま収められている。『NIAGARA TRIANGLE Vol.2』は大滝詠一、杉真理、佐野元春の三人による企画もののオムニバス・アルバム。
『NIAGARA CM Special Vol.2』にはナイアガラトライアングル( 大滝詠一、杉真理、佐野元春)の「A面で恋をして」のCM用にレコーディングされたトラックが収録されている。29秒サイズのほかにナレーション入りの「A面で恋をして」(Narration)、シングル・ヴァージョンからヴォーカルを取り除いた「A面で恋をして」(A
Cappella)、カラオケの「A面で恋をして」(Tracks Only)がある。また、「Spot Special」はラジオ・スポット用で「君は天然色」、「恋するカレン」、「さらばシベリア鉄道」、「A面で恋をして」、「ハートじかけのオレンジ」がメドレー形式で収録されている。「Instrumental
Special」はラジオの交通情報用のBGMとして使用された「Spot Special」のインストゥルメンタル・ヴァージョン。
『Niagara Rarities Special』には「A面で恋をして」のシングル・ヴァージョンが収録されている。「A面で恋をして」は『NIAGARA
TRIANGLE VOL.2』に先行して1981年10月21日にシングル・カット。ナイアガラトライアングル名義でカップリングは大滝詠一の「さらばシベリア鉄道」の両A面シングル。オリコン・チャート14位のスマッシュ・ヒット。
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大瀧詠一 Writing & Talking
ISBN978-4-86494-048-1
2015年3月18日
大瀧詠一が生前残した文章、エッセイ、評論、コラム、インタビュー、対談、コメント、ライナー・ノーツ等を編集した一冊。
第V章 Niagara Cross Talkに佐野元春が加わった座談会、ラジオ番組のテキストが収められている。
1981年8月21日、28日に民放FM 4局でオンエアされた『ニューミュージックフォーラム スピーチバルーン』からFM fan誌(1981年8/31
- 9/14)に掲載された大瀧詠一、伊藤銀次、佐野元春による座談会「BIG INTERVIEW SERIES ローリング30」の「僕らのビートが街を駆け抜ける(上)」と「僕らの時代は"オリジならない"パロディ感覚(下)」。
新譜ジャーナル(1982年8月号、9月号)に掲載された司会・構成、天辰保文による大瀧詠一、杉真理、佐野元春の座談会「ナイアガラはまぎれもなく時代の産物だ」と「時流の一地点に3つの衝撃が結集した...」。
1989年のお正月に佐野元春のラジオ・プログラム「FM スーパーミクスチャー」に大瀧詠一、萩原健太がゲスト出演した放送を活字化したFMステーション(1989年
1/25-2/5号)から「オールタイム・フェイバリット」と「ロイ・オービソン・スペシャル」。
「大瀧詠一 Writing & Talking」を購入する。 |
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Disc 1
01 ナイアガラ・ムーン
02 12月の雨の日
/ はっぴいえんど
03 恋の汽車ポッポ*
04 空飛ぶくじら
05 指切り
06 Cider '73 '74 '75
07 楽しい夜更し
08 夜明け前の浜辺
09 幸せにさよなら
/ ナイアガラトライアングル
山下達郎 伊藤銀次
大滝詠一
10 ニコニコ笑って
11 Cider '77
12 The Very Thought Of You
/ シリアポール
13 青空のように
14 真夏の昼の夢
15 ブルー・ヴァレンタイン・デイ
16 外はいい天気だよ'78
17 烏賊酢是 !此乃鯉
18 夢で逢えたら
*MONO
Disc 2
01 君は天然色
02 恋するカレン
03 A面で恋をして
/ ナイアガラトライアングル
佐野元春 杉真理 大滝詠一
04 さらばシベリア鉄道
05 オリーブの午后
06 ハートじかけのオレンジ
07 ROCK'N' ROLL 退屈男
/ 大滝詠一 with Jack Tones
08 CM Special Vol.2
09 Cider '83
10 ペパーミント・ブルー
11 バチェラ・ガール
12 フィヨルドの少女
13 夏のリビエラ 〜Summer Night in Riviera〜
14 幸せな結末
15 Happy End で始めよう
16 恋するふたり
17 恋のひとこと 〜SOMETHING STUPID〜
/ 竹内まりや Duet with 大滝詠一
Disc 3
Best Always Tracks
01 ナイアガラ・ムーン
02 幸せにさよなら
/ ナイアガラトライアングル
山下達郎 伊藤銀次 大滝詠一
03 夢で逢えたら
04 ROCK'N' ROLL 退屈男
/ 大滝詠一 with Jack Tones
05 CM Special Vol.2
06 Cider '83
07 夏のリビエラ 〜Summer Night in Riviera〜
08 幸せな結末
09 Happy End で始めよう
10 恋するふたり
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Best Always
SRCL 8010-2
2014.12.3
オリコン・チャート最高位2位
はっぴいえんど時代の1971年からURC、ベルウッド、ナイアガラ・レーベル時代のコロムビア、ソニー・ミュージック、2003年の「恋のひとこと」(ワーナー・ミュージック・ジャパン)までレーベルを越えてすべてのキャリアを網羅する大滝詠一初のオールタイム・ベスト・アルバム。全35トラック、CD二枚組でDISC
1は'70年代、DISC 2は『A LONG VACATION』以降の'80年代から2000年代までを収録している。ブックレットには山下達郎、伊藤銀次、佐野元春、杉真理、竹内まりやのコメントが寄せられている。
発売に先駆けて山下達郎はレギュラー・ラジオ番組「サンデー・ソングブック」において特集を組み、こんなふうに話している。
「『A LONG VACATION』というアルバムはリック・ネルソンの曲から取ったものなので。『Best Always』というのはリック・ネルソンのベスト・アルバムにこういうタイトルがあります。シャレですね、きっと。大滝さんが自分で付けられたんじゃないですけれど、スタッフの人たちが、たぶんシャレで付けたものだと思いますが。大滝さん、お亡くなりになってもう11ヶ月経ちますが、いよいよベスト・アルバム。今までもいろいろなかたちでベストのようなものはありますが、今回のベスト・アルバムはCD二枚組ではっぴいえんどのデビュー時からですね、2000年代のCBSソニー、ソニー・ミュージックのカタログまで網羅した、いわゆるレーベルを越えたですね、オールタイム・ベストでございます。いちばん大きな特徴はシングル・ヴァージョンが主に入っております。アルバムの曲でもシングル用にミックスされたもの、それらの多くが初CD化でございますけれども。大滝さん、昔から仰っていたんですが、新春放談でも仰ってましたけれども、アルバムはアルバムで、シングルはそのうちにそうしたシングルだけでベストを出すんだと、そのようなことを仰ってました。その本人の意志を継ぐかたちでこうしたベスト・アルバムが出ることになりました」
Disc 1の'70年代の部分は山下達郎がかなりの部分で大滝詠一と仕事をしている。たとえばアルバム『NIAGARA MOON』はストリングス・アレンジ、ブラス・アレンジに深く関わってる。1曲目、タイトル・ソングの「ナイアガラ・ムーン」ではストリングス・アレンジ。今回は2005年の映画『イン・ザ・プール』のテーマ曲として使用されたイン・ザ・プール・ミックスが収録されている。7曲目「楽しい夜更し」ではブラス・アレンジに関わっている。ニューオリンズ・スタイルのためにサックスが4本。大滝詠一がブラスのアレンジを口伝えし、それを譜面に起こすのが山下達郎の役目だったとか。
9曲目「幸せにさよなら」は1976年に大滝詠一、伊藤銀次、山下達郎の三人で曲を持ち寄って作った『NIAGARA TRIANGLE VOL.1』からのシングル・カットで1976年4月1日にリリース。カップリングは山下達郎の「ドリーミング・デイ」。ナイアガラ・トライアングルという名義で伊藤銀次の作った「幸せにさよなら」を三人で一節ずつ歌うという企画のシングルで、今回収録されたのはシングル・ヴァージョンだけど歌う順番が違うもの。1997年に新春放談で一度オンエアしたことがあり、それを再ミックスしている。初CD化。オリジナルの「幸せにさよなら」のシングルは伊藤銀次からはじまるけれど、このニュー・ミックスは大滝詠一からはじまる。山下達郎の位置は変わらないが伊藤銀次と大滝詠一がひっくり返っている。もともとのアルバム・ヴァージョンは伊藤銀次が一人で歌っている。シングルは三人一緒に歌ってるわけではなくて、それぞれ別々に録っているが山下達郎は一回しか歌わせてもらえず、何か投げ捨てるような歌い方をしている。それに反して大滝詠一は後からじっくり歌っている。「ズルいんです。なのでエライ不公平だと思ったりしたんですけれども」と山下達郎は語っている。アルバムではバイ・バイ・セッション・バンドでレコーディング。ドラムは上原裕、ベースは吉田建(?)、キーボードは坂本龍一、伊藤銀次のギター。シングル・ヴァージョンは細野晴臣のベース、松任谷正隆のピアノに差し替えてる。「16チャンで差し替えたものなので、上書きをしてしまったのでアルバム・ヴァージョンのマルチは残ってないというひどい話ですけれど(笑)。時代ですよ、時代」と山下達郎。
1977年の暮にリリースした『NIAGARA CALENDAR』は1月から12月までの歳時記的な曲を12曲、アナログなのでA面6曲、B面6曲収録している。山下達郎は大滝詠一の全アルバムの中でこのアルバムがいちばん好きだと語っている。このアルバムからの先行シングルが「青空のように」。6月に当たる曲なので1977年6月1日にリリース。カップリングは「Cobra
Twist」。シングル・ヴァージョンは初CD化になる。ブラスとストリングス、エンディングのファルセットは山下達郎。2月の歌「ブルー・ヴァレンタイン・デイ」は年が明けて1978年2月1日に後発のシングルとしてリリース。カップリングは「お花見メレンゲ」。ストリングス・アレンジは山下達郎。今回の『Best
Always』にはクレジットが書かれてない。山下達郎がスタッフに訊いたら不明のものがとても多いとのこと。大滝詠一は一人でレーベルをやっていたのでミュージシャンが誰かというそういうものの記録が完璧ではない。完璧なクレジットが不可能なのでクレジットは載せられなかったそうだ。スタジオ・ミュージシャンを起用していたり、今のように余裕を持ったレコーディングではなかったので、データをきちっと整理する暇がなく、レコーディングに追われてたという事情もある。
シリア・ポールと大滝詠一のデュエット「The Very Thought Of You」は1977年6月25日にリリースされた『夢で逢えたら』の収録曲。このアルバムのストリングス・アレンジは山下達郎が担当している。タイトル・ナンバーの「夢で逢えたら」は先行シングルとしてて1977年6月1日にリリース。カップリングは「恋はメレンゲ」。「夢で逢えたら」の初出は吉田美奈子の1976年のアルバム『FLAPPER』、その翌年にシリア・ポールの歌うヴァージョンがリリース。こちらは大滝詠一自身がプロデュースしていて、そのシリア・ポールのアルバム『夢で逢えたら』のトラックに大滝詠一が歌を乗っけたものが『Best
Always』のボーナス・トラックとして収録されている。歌は'80年代に録られたといわれてるが詳細は不明。'80年代に録られたというのは確かなようだ。大滝詠一自身がミックスしたマスターが残っていたのを発見された。
Disc 2の3曲目「A面で恋をして」は『NIAGARA TRIANGLE VOL.2』に先行して1981年10月21日にシングル・カット。NIAGARA TRIANGLE名義でカップリングは大滝詠一の「さらばシベリア鉄道」の両A面シングル。オリコン・チャート14位のスマッシュ・ヒット。1982年3月21日にリリースされた『NIAGARA
TRIANGLE VOL.2』は大滝詠一、杉真理、佐野元春の三人による企画もののオムニバス・アルバム。今回の『Best Always』ではエンディングにシングル盤の同心円に入ってたマシンガンの音が鳴り響くシングル・ヴァージョンが収録された。初CD化。
DISC 2のいちばん最後に入っているのは竹内まりやとのデュエット「恋のひとこと」。大滝詠一の公式レコーディングとしては最後のレコーディングになった。2003年の竹内まりやのアルバム『LONGTIME FAVOURITES』に収録されている。
初回限定盤には初出となるカラオケ・トラックが10曲収録されていて「幸せにさよなら」が選曲されている。
『Best Always(初回生産限定盤)』を購入する。
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Disc 1
01 A面で恋をして
02 彼女はデリケート
03 Bye Bye C-Boy
04 マンハッタンブリッヂにたたずんで
05 Nobody
06 ガールフレンド
07 夢みる渚
08 Love Her
09 週末の恋人たち
10 オリーブの午后
11 白い港
12 Water Color
13 ハートじかけのオレンジ
Disc 2
01 A面で恋をして
02 彼女はデリケート
03 Bye Bye C-Boy
04 マンハッタンブリッヂにたたずんで
05 Nobody
06 ガールフレンド
07 夢みる渚
08 Love Her
09 週末の恋人たち
10 オリーブの午后
11 白い港
12 Water Color
13 ハートじかけのオレンジ
14 A面で恋をして
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NIAGARA TRIANGLE VOL.2 30th Edition
SRCL-8002/3
2012.3.21 リイシュー
オリコンチャート最高位28位
ナイアガラ・レコード30周年アーカイブ・シリーズの一環として大滝詠一、杉真理、佐野元春による 『NIAGARA TRIANGLE VOL.2』の30周年盤が2012年3月21日にリリースされた。2枚組仕様で1枚目は1982年のオリジナルに準拠したプレイリストで全13曲。最新のリマスタリングを施している。2枚目には本邦初公開となる純カラオケを収録している。「A面で恋をして」だけはコーラスありとコーラスなしの2ヴァージョンを収録しているので1曲多く全14曲となっている。
Disc 1の収録曲はオリジナルと同じ曲順でボーナス・トラックは付いてない。20周年記念盤では「Water Color」の歌詞の一部を"予報通りさ 振られることは"に差し替えていたが、今回は"予報通りさ からかわれても"とオリジナルに戻している。もともとは"振られることは"だったらしく、それが『ロンバケ』の「恋するカレン」とかぶることを嫌って"からかわれても"に変えたらしい。
2000年代の評価ではナイアガラ・トライアングルというとこの『トライアングル2』を指す。実際にこの間2010年の紅白歌合戦ではサプライズ・ゲストに佐野元春の名前が挙がり、それはその年佐野元春がデビュー30周年を迎えたこと、NHKでレギュラー番組(Eテレの「佐野元春のザ・ソングライターズ」とFMの「Motoharu
Radio Show」)を持ち貢献したからだと実しやかに囁かれた。その話がどういうわけかナイアガラ・トライアングルが出るとネット上で話題になったことがあった。結局、ただの噂話に過ぎなかったわけだが、未だにこの期間限定のトリオが人気の面で衰えてないことを証明してみせた。ちなみに佐野元春はこの件に関して、アメリカのグラミー賞ぐらいの権威がある音楽の祭典ならば、大滝詠一と杉真理のふたりを口説くと話した。
そのように『トライアングル2』は今もなお輝きを失ってない。『ロンバケ』30周年盤をリリースした際に『NIAGARA CD BOOK 1』を同時に発表した大滝詠一はナイアガラ・レコードのアーカイブを今回の30周年で一区切りにするつもりだったはず。しかし、一方で 『NIAGARA
TRIANGLE VOL.2』に関しては40周年を否定していない。十年後にどんなネタが飛び出すのか今から楽しみだ。
『Niagara Triangle Vol.2 30th Edition』を購入する。
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01 A面で恋をして
02 彼女はデリケート
03 Bye Bye C-Boy
04 マンハッタンブリッヂにたたずんで
05 Nobody
06 ガールフレンド
07 夢みる渚
08 Love Her
09 週末の恋人たち
10 オリーブの午后
11 白い港
12 Water Color
13 ハートじかけのオレンジ
14 彼女はデリケート(Single Version)
15 こんな素敵な日には
16 ラストナイト
17 ROCK'N ROLL退屈男
18 ハートじかけのオレンジ
19 A面で恋をして(CM Version)
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NIAGARA TRIANGLE VOL.2 20th Anniversary Edition
(SRCL5001)
2003.3.21リイシュー
チャート最高位45位
2001年にリイシューされた大滝詠一の『A LONG VACATION 20th Anniversary Edition』に続いて、オリジナル・アルバム発売20年目の2002年にリイシューされた。リマスタリング・エンジニアは内藤哲也が担当している。ボーナス・トラックとして佐野元春のシングル「彼女はデリケート
c/w こんな素敵な日には」、杉真理のシングル「夢みる渚」のB面「ラストナイト」、大滝詠一のシングル「ハートじかけのオレンジ c/w ROCK'N'ROLL退屈男」、「A面で恋をして」のCMヴァージョン(エンディングにマシンガン音)を収録。
アルバム『SOMEDAY』のレコーディングと平行してこの企画は進められた。佐野元春は当初、大滝詠一のリスナーを意識していたようだが、先行して発売された「A面で恋をして」がチャート14位を記録し、「シングルを聴いた人に向けて佐野元春をアピールしないと損だ」と大滝詠一が助言したことで、「彼女はデリケート」と「マンハッタンブリッヂにたたずんで」を『トライアングル2』に入れることにしたという。
「彼女はデリケート」は沢田研二に提供した楽曲のセルフ・カヴァー。大滝詠一は疾走感溢れるロックンロールを佐野元春に求めたという。「佐野くん、(ジーン・ヴィンセントの)Be-Bop-A-Luraだよ」とヴォーカル・スタイルについてアドバイスし、サウンド面でもアコースティック・ギターとパーカッションをオーバー・ダビングして騒がしい単純なロックンロールに仕上げた。冒頭の詩の朗読は『トライアングル1』の「遅すぎた別れ」のオマージュとしてレコーディングされたといわれている。伊藤銀次が駅のホームだったので空港のロビーにシュチェーションを置き換えたらしい。
「Bye Bye C-Boy」は1974年にヤマハの主催するコンテストに出演した時歌った楽曲。この時のバンドが「バックレーン元春セクション」で、後にシュガーベイブに参加する寺尾次郎がいた。当時レコード化のオファーがあったものの、製作会議でアレンジャーと意見の相違があって実現はしなかった。
「マンハッタンブリッヂにたたずんで」はアルバム『SOMEDAY』の収録曲として予定されていたが、大滝詠一のリクエストでこのアルバムに収録された。
「週末の恋人たち」は就職して稼いだお金でバースディ・プレゼントを贈りたいという、当時の佐野元春にしてはやや大人びた詞の世界を持つ楽曲。ナイアガラのリスナーを「モラトリアム世代」と位置付けて書いた作品だという。
「こんな素敵な日には」は大学時代に書いた楽曲だそうだが、佐野元春のはじけた部分を抑え、上品でお洒落な感じのサウンド志向はナイアガラのリスナーを意識したもの。ギターは村松邦男でドラムは山木秀夫。
萩原健太「常に20年の時を経てリマスター盤発売ですか(笑)」
大滝詠一「『トライアングル』も答えが半分以上出てるんだけどね。これは面白い。しかも、まだ来年までに何か新しい技術なり何なりが出てくる可能性もあって。いつも言ってる通り、俺が今回の結論だって言うと、みんなそれがファイナル・アンサーのように思うんだよ。違うんだよね。私の場合はいつも仮説なんだよ。そこをみんな取り違えるんだよ。昨日あれだって言ったじゃないですかって必ず言うんだよ。でも、違うの。常に仮説なのよ。明日また、いや１時間後まったく違うことを言うかもしれない。やっぱりデジタルに未来はないとか(笑)。だからその時々の自分ね」
レコード・コレクターズ2001年4月号Vol.20 No.4
『A LONG VACATION 20th Anniversary Edition』同様、中域とボーカルがオンになり歌がまえに出てパフフルになっている。
大滝詠一のコメント
「歌がでているんですよ、グッーと。で、あの頃(1982年の発売当時)は、僕ら新しい音楽だと自分たちで思って、対歌謡曲ということで10年やってきた時期だったんですよ。で、歌謡曲はあまりにも歌が大きすぎるということで、我々は敢えて埋めたんですよね。ちょっと埋めすぎたかなー(笑)。ちょっと埋めすぎたかなーという印象が無きにしも非ずだったんですよ。で、それがねー、機械がうまい具合に中域がでたもんですから、あっ、これはいいなと思ってね、聴いたら気持ちよかったですねー。やっぱり人間の声、真ん中に持ってくるのはやっぱりいいんですね。歌謡曲はいいね」
ニッポン放送スーパーステーション枠特番「2002年ナイアガラの旅」3月16日放送より
『A LONG VACATION』は発売当時(81年)、車の中や浜辺などのアウトドアで聴くリゾート・ミュージックといったイメージがあった。プールサイドを描いたアルバム・カバー(永井博のイラスト)の印象が鮮烈で、ファッションのなかに取り込まれていったのだろう。実際にこの『NIAGARA
TRIANGLE VOL.2』の「夢みる渚」に、"渚のカセットはくり返すいつも LONG
VACATION"という歌詞が登場しているのをみても、そうしたユース・カルチャーの一翼を担っていたのが窺がえる。
『NIAGARA TRIANGLE VOL.2』にしても同じようにリゾート・ミュージック的な側面がある。「夢みる渚」もそうだけど、いきなりサビで"セニョリータ"なんて主人公がラテン系になる「週末の恋人たち」からの流れ(「オリーブの午后」〜「白い港」)がそうだ。逆にいうとそこの部分だけ色濃く夏の風景画としてアルバムに飾られているようだ。
ただ「ハートじかけのオレンジ」の最後のSEが、『Pet Sounds』(ビーチボーイズ)を髣髴とさせる奇妙な歪みを露呈している。アルバム・トップの「A面で恋をして」へとエンドレスで続いてゆくかのように見えて、しかし何故だかシュールに閉じている。
『NIAGARA TRIANGLE VOL.2』をめぐる時系列またはその胎動期
1980年2月、大滝詠一は須藤薫に「あなただけI LOVE YOU」を提供する。杉真理も須藤薫との関わりがあり、佐野元春も1980年か1981年に須藤薫と一緒に曲を作っていたという(結局レコード化はされなかったらしいが)。
ニューミュージックの錚々たるメンバーが参加した最初のケースが吉田美奈子だった。荒井由実や竹内まりやも似たようなケースだったが、須藤薫にもそうしたバックアップ体制があったという。この後、それぞれ作家として松田聖子に曲を提供するわけだが、もし須藤薫がその時点でブレイクしていたのなら、ポップスの歴史は変わっていたのかもしれない。
3月21日、佐野元春が「アンジェリーナ」でデビュー。
4月には松田聖子がデビュー。大滝詠一は『A LONG VACATION』のレコーディングを開始する。
4月21日、佐野元春がデビュー・アルバム『BACK TO THE STREET』をリリース。
5月1日、山下達郎がアルバム『RIDE ON TIME』をリリース。チャートの1位を獲得。
6月21日、杉真理が「HOLD ON」をリリース。
7月21日、杉真理がアルバム『SONGWRITER』をリリース。
7月28日、大滝詠一32歳の誕生日。当初の予定ではこの日に『A LONG VACATION』が発売される予定であった。完成には至らなかったが、この頃までに6割か7割できていたという。10月16日には「カナリア諸島にて」と「Velvet
Motel」が完パケとなっている。
9月26日、原宿レスター会館3階で開催された大滝詠一の講習会に、佐野元春と伊藤銀次が現れる。そして10月のはじめ頃に、佐野元春と伊藤銀次が大滝詠一のレコーディング・セッションを見学。この日のセッションでは「白い港」を録音していたが、結局この日のバージョンはオクラになったそうだ。佐野元春の「Someday」のアイデアは、大滝詠一のレコーディング・セッションを目撃した時に生まれたという。
佐野元春のコメント
「とにかくレコーディングを始めてまだ間もないからね、右も左もわかんないし、バンドで録ってりゃ楽しいからそりゃいいんだけど、でも大滝さんのアコースティック・ギターが4台、アコースティック・ピアノが2台、そこにパーカッショニストがいて、もうそこで奏でられてる、生音だけでオーケストレイテッドなわけなんだよね。それでもう舞い上がっちゃってね、レコーディングはこうすりゃいいんだって思って(笑)」
「スピーチバルーン」2002年3月23日(土)放送より
12月には林義雄の「ユア・ヒットしないパレード」で佐野元春の「アンジェリーナ」が大賞、大滝詠一の「さらばシベリア鉄道」がホープ賞を獲得。その授賞式で大滝詠一は佐野元春のライヴ・パフォーマンスを観る。
1981年2月、佐野元春がアルバム『Heart Beat』をリリース。当時、佐野元春は沢田研二に「彼女はデリケート」を提供している。大滝詠一は自身が沢田研二に提供した「あの娘に御用心」(75年)との符号を「彼女はデリケート」に見つける。佐野元春と『トライアングル2』で共演するのなら、どうしても「彼女はデリケート」をやってもらわなければいけないと思っていたらしい。大滝詠一は運命論者的に、佐野元春の「彼女はデリケート」が『トライアングル2』のスタートと決めたそうだ。
『NIAGARA TRIANGLE Vol.2 20th Anniversary Edition』を購入する。
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01 ドリーミング・デイ
02 パレード
03 遅すぎた別れ
04 日射病
05 ココナツ・ホリデイ '76
06 幸せにさよなら
07 新無頼横町
08 フライング・キッド
09 FUSSA STRUT Part- I
10 夜明け前の浜辺
11 ナイアガラ音頭
12 幸せにさよなら(シングル・バージョン)
13 ドリーミング・デイ(シングル・バージョン)
14 ナイアガラ音頭(シングル・バージョン)
15 あなたが唄うナイアガラ音頭
16 ココナツ・ホリデイ３日目
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NIAGARA TRIANGLE Vol.1 30th Anniversary Edition
SRCL-5005
2006年3月21日リイシュー
チャート最高位48位
ナイアガラ・レーベル30周年記念事業の一環としてSony Music Recordsからリイシューされた。プロデューサー/エンジニアの大滝詠一がオリジナル・マスターからデジタル・リマスタリングを施している。「ココナツ・ホリデイ '76」がはじめてオリジナル・サイズでCD化。ボーナス・トラックとしてシングル「幸せにさよなら c/w ドリーミング・デイ」とシングル「ナイアガラ音頭 c/w あなたが唄うナイアガラ音頭」、未発表の「ココナツ・ホリデイ3日目」を収録。
1975年、エレック・レコードが倒産したため、ナイアガラ・レーベルは日本コロムビアと新たなディストリビュート契約を結んだ。『NIAGARA
TRIANGLE Vol.1』は日本コロムビア移籍後の第一弾アルバムで、オリジナル・リリースは1976年3月25日。このアルバムは1973年9月21日の「はっぴいえんど解散コンサート"CITY
- Last Time Around"」以降のナイアガラの記録、ナイアガラの総集編として、大滝詠一によって企画発案された。アイデアの元ネタとなったのは1963年にコルピックス・レーベルからリリースされたジェイムス・ダーレン、シェリー・フェブレイ、ポール・ピーターセンの3人によるオムニバス・アルバム『ティーンエイジ・トライアングル』。
『NIAGARA TRIANGLE Vol.1』のレコーディングで山下達郎のパートに参加したメンバーは、ベース: 寺尾次郎、ドラム: 上原裕、キーボード: 坂本龍一、コーラス: 吉田美奈子。第3期のシュガー・ベイブといったメンバーでレコーディングされたが、当時のシュガーベイブはソニーと契約する話があり、山下達郎はナイアガラ・レーベルからシュガーベイブのセカンド・アルバムを発表するつもりはなかったそうだ。ナイアガラの総集編ということで、大滝詠一から山下達郎には「パレード」(
シュガーベイブのアルバム『SONGS』のアウト・テイクで、もともとは山下達郎の手によってシングル用にと書かれた楽曲だが、大滝詠一に「シングル向きではない」と判断され、正式にレコーディングはされなかった)を、伊藤銀次には「幸せにさよなら」をレコーディングするようにとリクエストがあったほかは、ひとり4曲という括りしかなく自由にクリエイトしてよかったという。山下達郎は「スタジオ・ミュージシャンを起用したレコーディング」を意図し、ギター:
中野督夫、ホーン: 稲垣セクション、アルト・サックス: 岡崎質夫をゲスト・ミュージシャンとして迎え入れた。
「ドリーミング・デイ」では作詞を大貫妙子に依頼し、「パレード」は自らが作詞、「遅すぎた別れ」は伊藤銀次とのコラボレーション(「DOWN TOWN」と同じくキング・トーンズ用に書かれた楽曲だが、企画がボツになりオクラ入りしていた)で作詞(語り)は伊藤銀次が担当、「フライング・キッド」は[作詞吉田美奈子/作曲山下達郎]による最初の作品となる。
ファースト・ソロ・アルバム『CIRCUS TOWN』のレコーディングでチャーリー・カレロから「今生きている音楽で勝負しない限りどんな音楽でもダメだ、オールディーズにしかならない」と指摘されてなかったら、コンテンポラリーなサウンド・メイキングにシフトせず、「ドリーミング・デイ」のようなオールド・ポップ傾向の楽曲でソロ活動をやっていたことだろうと山下達郎は話している。
山下達郎がソロ・デビュー後に取り上げたのは「ドリーミング・デイ」(ライヴ・アルバム『JOY』[1989年]に収録)と「パレード」(Performance
'98-'99で披露した)。「パレード」はテレビ番組「ポンキッキーズ」のエンディング・テーマとなり1994年に念願のシングルとなった。1995年にリリースされたコンピレーション『TREASURES』には大滝詠一によるニュー・リミックス・ヴァージョンが収録されている。
『NIAGARA TRIANGLE Vol.1 30th Anniversary Edition』を購入する。
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