|
Norah Jones and The Handsome Band JAPAN TOUR |
2005年4月11日(月) 大阪厚生年金会館大ホール 3階B列42番 Norah Jones(Vocals, Piano） Lee Alexander(Bass) Adam Levy(Guitar) Andrew Borger(Drums) Robbie Mcintosh(Guitar) Daru Oda(Vocals, Flute) 1階席の左右の壁にスクリーンが設置されていた。収容人数2,400人といわれる厚生年金会館大ホールでは珍しい舞台装置だった。実は大阪公演の三日前に「舞台セットの変更」がアナウンスされ、若干数のチケットが売り出された。ステージが見えにくいため空席にしていたところを、スクリーンを用意し不自由なく見られるようにして増席したようだった。それだけ人気がある公演だったのだろう。 天井からレトロな雰囲気のペンダントライトが七つ吊り下がっていた。赤や黄色やオレンジの装飾が施されていた。ステージ上にはヴェルヴェットのゴージャスな深紅のカーテンがかけられていた。ステージの向かって左側にウーリッツアー、やや中央にピアノがあった。その後がベース、中央の奥にドラム・キット、ピアノと反対側にギターという配置。右手側には第二ステージともいうべきアコースティック・セット用のスペースがあった。 ノラ・ジョーンズはピアノの前に座って、ゆったりとした「The Prettiest Thing」でショウをスタートさせた。なめらかなシルクを思わせるようなピアノの音と、ノラ・ジョーンズのスモーキーなヴォーカルがしんとした会場に響き渡った。張りつめた空気があたりを支配していたが、すぐにオーディエンスは親密な雰囲気で彼女たちを受け入れた。 今回来日したハンサム・バンドのメンバーは5名。ウッド・ベースを弾いていたリー・アレキサンダーはソング・ライターでもある。アルバム『Feel Like Home』では半分ぐらいの楽曲を作曲、あるいは共作している。ノラ・ジョーンズとは公私共に過ごす仲だという話だ。 ドラムのアンドリュー・ボージャーはドラムのほかに箱(Box)のようなものを叩いていた。アルバムのクレジットにも"Box"と表記されていたがあれは楽器なのだろうか。「In The Morning」ではドラムのソロがフィーチャーされた。 バンドのギタリストはアダム・レヴィ。インタープレイの応酬となった「I've Got To See You Again」では数学的といえばいいのだろうか、素晴らしいパフォーマンスを披露した。 今回のツアーに参加しているもうひとりのギタリストはロビー・マッキントッシュ。1980年代中頃にプリテンダーズのメンバーとして活躍していた。その後、1989年頃からしばらくの間はポール・マッカートニーのバンドでギターを弾いていた。久し振りに見たロビー・マッキントッシュは額が大きく後退し銀髪になっていた。彼は最初、グレッチのギターを抱えていた。「Turn Me On」ではスライド・ギターのソロを披露した。 ノラ・ジョーンズのスモーキーなヴォーカルにハーモニーをつけていたのがダルー・オダという女性。ルックスと名前から判断して、たぶん日本人の血が入っているのだと思う。ノースリーブの服から見える左腕に"我慢"とタトゥーを入れていた。「Carnival Town」でフルートを披露。 ショーは中盤にアコースティック・セットがあり、そこで5曲ほど披露した。ノラ・ジョーンズはスタンド・マイクで歌った。2003年のグラミー賞を総なめにした「Don't Know Why」はピアノ伴奏なしというスタイルだった。アルバムでドリー・パートンとデュエットした「Creepin' In」はダルー・オダがドリー・パートンの代役を務めた。 アルバム『Feel Like Home』はカントリー・ロック傾向のレイド・バックしたサウンドという第一印象だった。レヴォン・ヘルムやガース・ハドソンといったザ・バンドのメンバーをゲスト・ミュージシャンとして起用したその二作目は土臭く地味な印象だった。今回のライヴで披露された「She」はグラム・パーソンズが書いたカントリー・ロックの名曲で、本編の最後にはザ・バンドの「Life Is A Carnival」が披露された。しかしハンサム・バンドはカントリー・ロックの領域にチャレンジしたわけではなかった。むしろバンドのアンサンブルはアコースティック主体でオーガニックな演奏だった。派手なところは全くなかったが、ひたすら歌を聞かせるというライヴはとても素晴らしかった。グラミー賞受賞の影響がプレッシャーとなったクリストファー・クロスのような新人がいたけれど、ノラ・ジョーンズはプレッシャーをうまく乗り越えたのではないだろうか。ノラ・ジョーンズのスモーキーなヴォーカルとピアノ演奏がやさしく心に響いた夜だった。 『Feels Like Home[Deluxe Edition]』を購入する。 Set List 01 The Prettiest Thing 02 Those Sweet Words 03 Feelin' The Same Way 04 What Am I To You? 05 Turn Me On 06 I've Got To See You Again 07 She 08 In The Morning 09 Carnival Town 10 Don't Miss You At All 11 All In This Together 12 The Long Way Home 13 Don't Know Why 14 Creepin' In 15 Above Ground 16 Sunrise 17 Come Away With Me 18 Life Is A Carnival Encore 19 The Long Day Is Over 20 Lone Star |
|
|home| |