|
山弦TOUR Vol.5 山弦の"熟年予備校"〜予習・復習シュラシュシュシュ〜 |
|
2003年10月14日(水) 神戸チキンジョージ 整理番号74番 Iテーブル 小倉博和（Guitar） 佐橋佳幸（Guitar） アルバムを持たないツアーを「丸腰」と業界では呼んでいるらしい。多忙を極める小倉博和と佐橋佳幸のふたりは9月の半ばにようやく合流、石垣島で曲作りのための合宿をし、このツアーを終えた後、12月からニュー・アルバムのレコーディングを開始、来年の春か夏頃にリリースを予定しているそうだ。この日はツアー二本目ということもあって楽譜が用意され、間違う山弦が見られる「間違い探し」ライヴとして、まだレコーディングされてない新曲を多く披露した。 1曲目の「夢・音楽館のテーマ」も新曲で、桃井かおりが司会を務めるNHKの音楽番組「夢・音楽館」のオープニングテーマとして使われている。 「足元のゆるいなか、それよりもゆるく、ゆるゆるで」 そんなMCが「夢・音楽館のテーマ」のあとにあった。雨が降って肌寒い中、神戸チキンジョージで行われたライヴ。ゆるくじらしながら「クロマ王朝の悲劇」を演奏。「ありがとうございまあ〜す」とコンビニのレジでよく聞かれる奇妙なイントネーションのお礼の言葉を連発し、楽しい山弦トークで盛り上げてゆく。 5曲目の「潮騒」は山下達郎のカヴァー。実は山下達郎のトリヴュート・アルバムが企画されていて、その中に収録される曲だそうだ。このトリヴュート・アルバムは完成間近らしいのだが、何組かがわがままを通して遅れているらしい。10組ほどのアーティストが参加し、キンモクセイは「踊ろよフィッシュ」をカヴァーしているという。「潮騒」は小倉博和がベース・パートを担当し、佐橋佳幸のリードではじまり、佐橋佳幸のスライド・ギターが途中でフィーチャーされ、ハワイアン風にアレンジされていた。 「夏の終り」はオフコースのカヴァー。こちらは8枚組の小田和正カヴァー・アルバムに収録されているらしい。通販のみの発売で、山弦は「夏の終り」ほか数曲をレコーディングし収録されているそうだ。 ステージの中盤はお馴染みのパネル・コーナー。山弦の"熟年予備校"の講義がここから始まる。ステージの後ろからタイダイ模様の布のカバーがかけられた物体が中央へと運び込まれる。プラズマ・ディスプレイだ。マッキントッシュのハードディスクも見える。パネル・コーナーはプラズマ・ディスプレイのコーナーへとヴァージョン・アップ。佐橋佳幸の操作で石垣島合宿の写真がプラズマ・ディスプレイに映し出された。 まず最初に立ち寄った麺屋の話題から、一日五回の寸劇民謡ショーが催される「島育ち」という食事処の紹介が1時限目。その食事処のバンフレットを見て生まれたのが「島育ち（仮）」というゆったりとしたロマンチックな楽曲。 2時限目は石垣島での観光の話題。台風が近づいていたが晴れていて、夜空に雲ひとつなく、また満月に火星が接近した夜でもあったそうだ。そんな美しい月に触発されて生まれたのが「月星（仮）」。 3時限目は食事処「島育ち」で見た民謡ショーの話題。「キジムラー」という民謡と大爆笑の寸劇から生まれたのが「キジムラー（仮）」。疾走感溢れる軽快な曲でエンディングに「Good Stuff」がチラッと演奏された。 4時限目はハブの話題。ハブが潜んでいそうな草むら(ブッシュ)をハビッシュと名付け、そこから生まれたのがブルースの「ハビッシュ（仮）」。 山弦の"熟年予備校"の講義の後はノリのいい楽曲の演奏が続いた。「Yeh Yeh」は途中にチャック・ベリーの「Roll Over Beethoven」のフレーズが挿入され、「JOY RIDE」ではチキンジョージという場所にちなんで、佐橋佳幸はジャコ・パストリアスの「ザ・チキン」をアドリブで披露した。 Set List 01 夢・音楽館のテーマ 02 クロマ王朝の悲劇(Chromatic Tragedy) 03 春（SPRING） 04 そりは行く（SLED） 05 潮騒 06 夏の終り 07 島育ち（仮） 08 月星（仮） 09 キジムナー（仮） 10 ハビッシュ（仮） 11 RODEO KING 12 Yeh Yeh 13 JOY RIDE Encore 14 祇園の恋（GION) 15 夢・音楽館エンディングテーマ 16 Good Stuff |
||
|
|
||
| 山弦TOUR Vol.5 山弦の"熟年予備校"〜予習・復習シュラシュシュシュ〜 |
||
2003年11月3日(祝・月) ミナミアメリカ村 BIG CAT 整理番号ぴあ26番 小倉博和（Guitar） 佐橋佳幸（Guitar） 朝から雨だった。阪神タイガースの御堂筋パレードは降りしきる雨の中行われた。テレビ中継で誰かが「星野監督の勇退を日本一で飾れなかった涙雨なのだ」と話していた。タイガースの優勝パレードは午後に神戸でも行われた。残念ながら雨は止まなかった。 ライヴ会場に向かう気分は最悪だった。この前のチキンジョージも雨だった。そして今日も。気持ちが高揚する要素はその日会場に到着するまで何ひとつ見つからなかった。「やれやれ」と僕はため息をついた。 チケットの整理番号はぴあ26番。BIG CATの会場売りチケットは、整理番号150番まで呼ばれ、優先して会場に入っていった。入り口でドリンク代を別途支払うと122番と刻印されたドリンク券が手渡された。「実質122人目か」と僕は思った。よい席は残ってないだろうなと諦めて椅子席をながめたが、上手側の2列目端が空席だった。目の前はスピーカーだったが死角で見えない場所ではなかった。穴場ともいえるような見やすい席だった。 1曲目が「SONG FOR JAMES」になったほかは神戸と全く同じ曲順で進んだ。しかしここまで6公演を消化するあいだに楽譜が消えていたのはさすが。小倉博和の左足首には鈴が結わえてありパーカッションの役割を果たしていた。 スピーカー前の席だったが、アコースティック・ギターの音が本当にきれいで、ひとつもうるさく感じなかった。「潮騒」でのスライド・ギターの音色には感動した。つまらない想いが吹き飛んでリラックスして楽しめた。 プラズマ・ディスプレイのコーナーではBGMが小さな音でながれているのに気がついた。デューク・エリントンの「Caravan」なんかがかかっていた。曲作りのインスピレーションを受けた時の音が追加されたり(笑)、トークのほうもパワーアップ。キジムナーとは石垣島では精霊のことをいうらしい。神戸で「ハビッシュ（仮）」とされた新曲は「ハブ大暴れ（仮）」とタイトルが変更になっていた。 アンコールではライヴ会場BIG CATがアメリカ村にあるせいなのか、サイモン&ガーファンクルの「America」が演奏された。佐橋佳幸がギターを膝の上に寝かせてスチール・ギターのようにスライド奏法を披露する「EL LOCO」では、小倉博和の呼びかけで聴衆がスタンディング。山弦では珍しいスタンディングに会場のボルテージは最高潮を迎えた。最後の「夢・音楽館エンディングテーマ」は番組司会の桃井かおりにひっかけて「もものかおり」と紹介されたが、美しい音色に浸れ癒された。 Set List 01 SONG FOR JAMES 02 夢・音楽館のテーマ 03 クロマ王朝の悲劇(Chromatic Tragedy) 04 春（SPRING） 05 そりは行く（SLED） 06 潮騒 07 夏の終り 08 島育ち（仮） 09 月星（仮） 10 キジムナー（仮） 11 ハブ大暴れ（仮） 12 Yeh Yeh 13 JOY RIDE Encore 14 祇園の恋（GION) 15 America 16 EL LOCO 17 Good Stuff 18 夢・音楽館エンディングテーマ |
||
|home| |
||