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大貫妙子 ピュア・アコースティック・クリスマス2003 |
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2003年12月1日(月) なんばHatch 1階F列18番 大貫妙子(Vocal) フェビアン・レザ・パネ(Piano) 吉野弘志(Contra Bass) 金子飛鳥カルテット 金子飛鳥(Vn) 相磯優子(Vn) 志賀恵子(Va) 木村隆哉(Vc) 大貫妙子にとって今年は1973年にシュガーベイブでデビューしてから30年という節目にあたる年。昨年に引き続いて開催されたピュア・アコースティック・コンサート。開演前にながれているのはフェビアン・レザ・パネのアルバムから。ピュア・アコースティックの世界はもうそこからはじまっていた。 フェビアン・レザ・パネの曲「Sacred distance」に続いて赤いドレスを着た大貫妙子が現れた。ドレスの肩口には赤のスパンコールがキラキラと輝いている。「彼と彼女のソネット」を聴いているとピュア・アコースティックの世界に陶酔してしまう。 4曲披露した後で「夏色の服」の詞について大貫妙子は話した。"君によく似合うと買ってくれた夏服を抱きしめてしまう"という歌詞について、「抱きしめてしまう」というのは「抱きしめちゃう」という意味ではなくて「抱きしめてかたづける」というのが本当なのだそうだ。 また、旅に出た話のなかで「イタリアに魅せられている」と話していた。ゴンドラで移動するというのがよいのだそうだ。「la musique」では歌詞を忘れてハミングでごまかす場面も(笑)。たおやかな「美しい人よ」が素晴らしかった。日本を舞台にした「四季」も素晴らしかった。都市の音楽を意識して書いた時期を経て到達した風景画のような美しい歌は正にワン・アンド・オンリーといってもいい。途中で1曲スキップしたようだったが、その訳は後ほどわかることになる。 クリスマスに関連した詞を持つ「哀しみの足音」と「星の奇跡」の後で、「いろんなことが日々あるけれど私はこの歌を歌います」と言って「ただ」がはじまった時には感動した。自他とも認める近年の代表作。涙腺が少しだけゆるくなった。 アンコールは金子飛鳥のオリジナル曲「A Man With Cat At Table」ではじまった。美術館で見たある絵にインスパイアされたそうだ。続けて「メトロポリタン美術館」。「Kiss the Dream」が終って、恒例のプレゼントタイムに。本当はそれですべて終わりだったのだが、大貫妙子はしばらく考えてから、「突然の贈りもの」は歌詞をど忘れしたので歌わなかったのだと打ち明けた。それでうろ覚えながら歌いだしたものの、「別れもつげないで」のところが思い出せず中断、客席からの助けを得てようやく歌い終えた。 Set List 01 Sacred distance 02 風の道 03 夏色の服 04 空へ 05 彼と彼女のソネット 06 Cavalier Servente 07 la musique 08 横顔 09 美しい人よ 10 新しいシャツ 11 四季 12 哀しみの足音 13 星の奇跡 14 ただ Encore 15 A Man With Cat At Table 16 メトロポリタン美術館 17 Kiss the Dream 18 突然の贈りもの |
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| 大貫妙子 ピュア・アコースティック・クリスマス2002 |
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2002年12月22日(日) リサイタルホール C列33番 大貫妙子(Vocal) フェビアン・レザ・パネ(Piano) 吉野弘志(Contra Bass) 飛鳥ストリングス(Strings) 弦楽四重奏との共演ピュア・アコースティック・コンサートが5年振りに開催された。ピュア・アコースティック・コンサートはいろいろとスタイルを変えて毎年やっていた時期があり、アルバム『pure acoustic』(1996年)として作品にもなっている。今回は弦楽四重奏にコントラバス、大貫妙子とフェビアン・レザ・パネという編成。クリスマス・シーズンを大貫妙子のやわらかな歌声とともに過ごすピュア・アコースティック・クリスマス2002として開催された。 厳かでエレガントな雰囲気のステージ・セット。開演前の会場には、ゆったりとした穏やかな時間がながれていた。シルクのような音色を奏でるフェビアン・レザ・パネのピアノ曲でピュア・アコースティック・クリスマス2002は開演した。「Sacred distance(神聖なる距離)」というその曲についてフェビアン・レザ・パネは最初、人と人の間の距離を思ってタイトルをつけたそうだ。しかし、東京公演を聴きに行った人が"Distance"には「音と音の間 - 例えば鍵盤のドからソまで - といった場合の距離にも使われるらしい」とフェビアン・レザ・パネに伝えたという。そんなエピソードが象徴するかのように、ピュア・アコースティック・クリスマス2002は音と音、人と人のふれあいを感じさせる温かみがあった。 飛鳥ストリングスはヴァイオリン(2)とビオラとチェロによるカルテット。ヴァイオリンの金子飛鳥と大貫妙子は古くからの付き合いで、飛鳥ストリングスは忙しいので予約を早めに入れなければ共演できないと紹介されていた。またチェロがキムラタカヤという名前の男性で、女性に囲まれた印象や、キムラタクヤと聞き間違われないかなどと、大貫妙子のオヤッサントークの餌食にされていた(笑)。 コントラバスの演奏は吉田美奈子トリオで見ていたが、チェロのように弓を使って弾く姿ははじめてだった。また、「雨の夜明け」で静かに降る雨の音を表現するかのような、飛鳥ストリングスのピチカート(弦を指で弾く)もはじめて見た。 ステージの中盤ではヴェニスやイタリアを旅した時の話を交えつつ展開された。大貫妙子は旅にまつわるエッセイ集『Bed & Breakfast』を上梓しているように、南極からアフリカまで世界各地を旅しているが、今度旅する機会があればコスタリカに行ってみたいそうだ。そこでナマケモノを見たいという。 「Shall we dance?」の前のMCがまた楽しかった。ワイドショーで思いがけず曲が使われていたとか、映画『Shall we ダンス?』で社交ダンスがブームになって今は下火になってしまったが、あの頃は社交ダンスを本気で始めようと思っていたとか、日本人が大事にしないスキンシップが社交ダンスにはあると説いたりした。ミラーボールがキラキラと回転する中で「Shall we dance?」は歌われた。 「Shall we dance?」で盛り上がった後にレクイエムの「Hymns」。ホリゾントにろうそくの火を模したほのかな灯りが映し出された。ステージ上の照明が落とされ、そのコントラストが最高の演出となり、ピュア・アコースティック・クリスマス2002はハイライトを迎えた。フェビアン・レザ・パネのピアノが、「ただ」のイントロを弾きはじめると、そっと灯りは消えていった。大貫妙子は歌っている最中に声を詰まらせた。思い入れがあったのだと言う。歌い終えた後にフェビアン・レザ・パネのほうを見て、恥ずかしそうに両手で顔を扇いだ。そしてひとりでクリスマスを過ごす人へのプレゼントとして「星の奇跡」を歌った。ホリゾント一面に星空がひろがった。 大貫妙子のコンサートではアンコールの前にプレゼントタイムがある。クリスマスということもあってか30人くらいの人たちが、大貫妙子にプレゼントを渡そうと列を作った。それを見たフェビアン・レザ・パネが金子飛鳥と急遽打ち合わせをし、ふたりで「アベマリア」を演奏した。ある女性から、ステージ衣装と合わせたかのような白いマフラーを首にかけられると、大貫妙子はヴァチカンみたいとおどけてみせた。大貫妙子のこの日の衣装は真っ白で、クリスマスを意識したという雪の様な白の飾りつけがあった。くるりとターンしてみせると、それがフワリと宙に浮いた。まるで白いクリスマスツリーのようだった。そしてアンコールは「森のクリスマス」。間奏ではシャンシャンシャンと鈴が鳴らされた。「Happy Christmas!」最後に大貫妙子はそう言った。 音楽は美しい。それを実感する機会は以外と少ない。「若き日の望楼」で最後の一音が静寂に吸い込まれる、その最後の瞬間まで誰も拍手をしなかった。息を呑むように誰もがステージに惹きつけられていた。素晴らしい演奏に心を打たれていた。そして身が震えるような感動が打ち寄せた時、拍手が起こった。 僕はライヴの最中、何度も目を閉じた。目を閉じると僕は自分が陶酔しているのを感じた。決して触れることの出来ない音に少しでも近づきたいと願っていた。 Set List 01 Sacred distance 02 Amour levant -若き日の望楼- 03 雨の夜明け 04 黒のクレール 05 新しいシャツ 06 突然の贈りもの 07 Cavalier Servente 08 Siena 09 美しい人よ 10 風の道 11 横顔 12 Shall we dance? 13 Hymns 14 ただ 15 星の奇跡 Encore 16 森のクリスマス |
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